平成の後の元号が『令和(れいわ)』と発表がありました。昭和の和があることや、令というこれまでに使われたことのない字です。
万葉集の歌から出典されているとのことですが、万葉集とは何か、簡単に知りたいのではないでしょうか。
万葉集、これから注目されることになるかもしれません。
万葉集とは何か簡単に解説!
万葉集というのは、奈良時代末期の天平3年(759年)以降に作られたとされている和歌集。
現在まで存在している和歌集としては、日本では最も古いとされています。国宝にも指定されている歴史のある書物。
万葉集の中では、4500首位上の歌が詠まれており、作者は東北や九州にまで広い地域に渡るそう。歌は、方言でも読まれていて、方言を知る上でも歴史的に重要な書物であるそう。
新元号『令和(れいわ)』の由来や意味は?
新元号『令和(れいわ)』の由来は、万葉集の32首序文で歌われている歌から出典されているそうです。
梅花(うめのはな)の歌三十二首并せて序
天平二年正月十三日に、師(そち)の老(おきな)の宅(いへ)に萃(あつ)まりて、宴会を申(ひら)く。
時に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。
加之(しかのみにあらず)、曙(あけぼの)の嶺に雲移り、松は羅(うすもの)を掛けて蓋(きにがさ)を傾け、夕の岫(くき)に霧結び、鳥はうすものに封(こ)めらえて林に迷(まと)ふ。
庭には新蝶(しんてふ)舞ひ、空には故雁(こがん)帰る。ここに天を蓋(きにがさ)とし、地を座(しきゐ)とし、膝を促(ちかづ)け觴(かづき)を飛ばす。
言(こと)を一室の裏(うら)に忘れ、衿(えり)を煙霞の外に開く。
淡然(たんぜん)と自(みづか)ら放(ひしきまま)にし、快然と自(みづか)ら足る。若し翰苑(かんゑん)にあらずは、何を以(も)ちてか情(こころ)を述※1(の)べむ。詩に落梅の篇を紀(しる)す。
古(いにしへ)と今(いま)とそれ何そ異(こと)ならむ。宜(よろ)しく園の梅を賦(ふ)して聊(いささ)かに短詠を成すべし。
※1:「述」は原文では「手」遍+「慮」
天平二年正月十三日に、大宰師の大伴旅人の邸宅に集まりて、宴会を開く。時に、初春の好き月にして、空気はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っている。のみにあらず、明け方の嶺には雲が移り動き、松は薄絹のような雲を掛けてきぬがさを傾け、山のくぼみには霧がわだかまり、鳥は薄霧に封じ込められて林に迷っている。庭には蝶が舞ひ、空には年を越した雁が帰ろうと飛んでいる。ここに天をきぬがさとし、地を座として、膝を近づけ酒を交わす。人々は言葉を一室の裏に忘れ、胸襟を煙霞の外に開きあっている。淡然と自らの心のままに振る舞い、快くそれぞれがら満ち足りている。これを文筆にするのでなければ、どのようにして心を表現しよう。中国にも多くの落梅の詩がある。いにしへと現在と何の違いがあろう。よろしく園の梅を詠んでいささの短詠を作ろうではないか。
引用:万葉集入門
漢詩のようなこの歌は、梅花の歌32首の前につけられている序文。作者は不明とされていますが、山上憶良(やまのうへのおくら)ではないかと言われています。
作者が天平2年1月13日に大宰府の大伴旅人(おほとものたびと)のお宅を訪れた時に呼んだ歌とされています。梅の花をめでる宴が開催されたときの歌だそう。
梅の花をめでる宴、なんて梅の花がどれだけこの時代に貴重な植物であったかが分かります。梅は、大陸から入ってきた植物であり、天平の時代の大宰府と言えば、海外との交流もあった場所。
大陸から入ってきた珍しい植物である梅を眺めながら美味しいお酒を頂いていたのでしょうか。そんな宴の中で、4つのグループに分かれて8つの歌を詠んだそう。
お酒を飲みながら暖かな春が来ることを待ちわびながら、楽しい時間を過ごしていたのでしょうか。冬の寒さが続く正月に春を知らせる梅の花は、人々の心に安らぎと癒しをもたらしていたのかもしれません。
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令和のイニシャルは?『R』『L』どっち?
新元号『令和(れいわ)』をアルファベットで書くと、このように書くことが出来ます。
- Reiwa ⇒ R
- Leiwa ⇒ L
新元号『令和』の頭文字は、『R』になるのでしょうか。それとも『L』になるのでしょうか。
アルファベットで言うと、『R』は下を少し巻き込むような発音になります。日本語の『れいわ』を発音の通りにアルファベットにするとすると、『Leiwa』の方が正しいのじゃないか、なんて話も。
何となくローマ字で書くとすると、『Reiwa』と書きたくなりますが、日本の発音を正しくアルファベットとすると、『Leiwa』。
新元号の始まりの日、令和元年5月1日は、どちらになるのでしょう。
- R1・5・1
- L1・5・1
まとめ
『万葉集とは何か簡単に解説!新元号令和の由来や意味やイニシャルは?』としてまとめてきました。万葉集の歌から出展されている新元号『令和』。
官房長官が発表されたときには、『?』としっくりこない印象でしたが、令和、令和、と言い続けていると、すぐになれてしまいそうな気がします。
令和、とプリントされたTシャツや様々な商品が発売されるのでしょうね。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
コメントありがとうございます。